ETF の基準価額 [KR]
上場投資信託(ETF)は上場していて株式と同様に取引できるが、投資信託であるから基準価額が存在する。しかし、個人投資家が売買する価格は基準価額ではなく市場価格になる。
例えば、前回のエントリ で書いた 1306 は TOPIX に連動する投資信託であるから、市場価格と基準価額が乖離するのではないかと思われる。
しかし、実際には TOPIX の値にほぼ連動する。
これは裁定取引される場合があるからだ。モーニングスター [ ETF情報 ] には次のように書いてある。
ETFファンドは市場価格が基準価額とあまり離れないよう工夫されています。それは、超大口投資家には、市場を通さずに投信会社が直接、解約に応じるのです。ただし解約といってもキャッシュで解約代金を支払うのではなく、ファンドに組入れている株式を現物で返却するのです。投資家はキャッシュが欲しければ、返却された株式を市場で売却すればよいわけです。(中略)もし、市場価格が基準価額より低ければ、市場でETFを買いそれを投信会社で基準価額で解約すれば利益を得ることができます。つまり「裁定取引」がはたらくことになり、二つの価格差は解消の方向に向かいます。
つまり、市場価格が基準価額よりも低ければ裁定機会が得られる。では逆の場合、市場価格が基準価額よりも高い場合はどうなるのだろうか?空売りかな?と思っていたところ、その他高利回り投資 で次の記述を見つけた。
基準価格との乖離を小さくするための手段として、大口投資家には市場を通さず窓口で株式を直接渡すことで解約します。このように、誰でもいつでも解約できるようになっているため、裁定取引、基準価格との差を利用して基準価格を上回る場合にはETFを空売りし、現物を買うことでどちらに転がっても儲かるようにする仕組み、が働くようにしています。
なるほど。しかし、市場価格が基準価額よりも低いときほどの直接的な裁定機会にはならないから、ETF はベンチマークよりも若干高くなる傾向があるのだろうか。
というのは、1306 は TOPIX に連動しているけれども、僅かだが TOPIX よりも高くなるような気がしている。自明な理由なのかもしれないが...。
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